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 5月17日から5月28日まで、南仏カンヌで開かれた第59回カンヌ国際映画祭に参加した。

 今年のカンヌ映画祭は社会派映画が盛況。コンペ20本中10本が社会派の作品で、そのうち5本が戦争をモチーフとしたものだった。9・11から5年。対テロ戦争の名のもと世界をひっかきまわすアメリカにヨーロッパはうんざりしている。そんな気分がカンヌに社会派のブームを運んだのだと思う。

 例えばパルム・ド・オルに選ばれた「麦の穂を揺らす風」は20年代アイルランド独立運動をテーマにしながら、イラクやパレスチナの現在を視野に入れた作品である。監督のケン・ローチは言う。「占領下の人々の状況は同じようなもの。真実は過去と現実の中にある」と。占領軍は青年達の草ホッケーに政治集会の疑いをかけ取り締まり17歳の少年を殺してしまう。この事件をきっかけに独立運動に身を投じた医学生と運動のリーダーである兄はやがて、アイルランド政府軍の兄とIRAの弟に別れ戦うことになるのだ。占領軍に都合の好い政府を作って”独立”したとてそれが人々の本意とはいえない、占領の終わりではないとローチは描く。悲劇はそこからも始まるのだと。

 映画に何ができるのか、カンヌはこの5年考え続けてきた。今年の結果はその結実となるか、模索がまだ続くのか。どちらにせよ映画人たちはアートの世界に閉じこもるのではなく、社会にかかわり意見を言っていくべきだと決意したようだ。


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